音痴
- Aki
- 2020年9月22日
- 読了時間: 2分
実を言うと、

私は音痴である。
昔から音痴だとは
薄々感づいてはいたが、
その「程度のほど」は
向き合ったことがなかった。
私の思う、
「音痴」とは、
何より、
「上手に動かせない」のだ。
例えて「バレーボール」としよう。
はっきりと軌道の見える
「ベストパスボール」が、
運動音痴のAちゃんに向かっている。
流石のAちゃんも軌道下で
レシーブ体制をとっている。

セッターは上げていく準備を取り
アタッカーは攻撃体制を取っている。
ネットの向こうの相手サイドは
完全な防御体制である。
皆んなが、もはや
2手先の世界を期待している。
皆んなが2手先の世界に心を飛ばしている
!!!!その時!!!!!
Aちゃんの膝がガクリと
バランスを失い
ボールが地面を叩く。
「ドンマイ」「引き締めていこう!」
「もぅちょっとだよー」
というレベルでは無い。
「エッっっ?!!!!??」の世界である。
イリュージョンである。
威張って言うが、
それが「音痴」である。
上手に動かないのだ。
もぅ、何がどうなっているのか、分からないのだ。
理解が出来ないのだ。
違いが分からないのだ。
「パードン?」ってなもんだ。
聞こえて来ないのだ。
「気持ち悪さ」が
本人に分からないのだ。
イリュージョンである。
どこ吹く風である。
そんな私が
生まれて初めて
音痴と向き合ってみた。
向き合っていると
少しずつ
少しだけ見えてくる。
少しだけ

コントロールが出来るようになってくる。
音痴にしか分からぬ
この小さな喜び。
相方は私が歌トレを始めると
すかさず
防音イヤホンを付ける。
音痴とは真逆の
絶対音感の優れる彼には
分からないのだろう。
何故そんな事が
起こってしまうのか?
何故そうなってしまうのか?
そう、再度
威張って言うが、
それが「音痴」である。
イリュージョンなのだ。 音痴と向き合うのも
中々面白い。
美容室しずか
丸勢亜希子
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